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高校数学でわかるボルツマンの原理 (ブルーバックス)

高校数学でわかるボルツマンの原理 (ブルーバックス)
竹内 淳
講談社
売り上げランキング: 3604

新聞の下側にある書籍広告で見つけ、書店で購入。「わからずに死ねないもの」というのをいくつか持っているのだけど、熱力学と統計物理学もそのひとつ。熱力学第一法則、第二法則というとわかったようでわからない、統計物理学はなんだか面白そうなんだけど、現実とどう対応しているのかわからない、という私には入門編としてうってつけだったように思う。これで、死んでもよくなったとはいえないが、死んでもよくなるための入り口には立てたかな。

アプリオリに高校物理の教科書に現れる気体の状態方程式、熱力学第一・第二法則、熱力学と統計物理の関係など、高校数学だけでは若干無理なところもあるような気がするが、理系大学2、3回生なら、まず理解できると思う。数式をきちんと使っているところがよい。物理の一般教養書で、数式を使っていないことを売りにしているものがあるが、あれは間違っている。数式はちゃんと使うべき。その点、この本はよい。

統計物理学に関しては、マクスウェル・ボルツマン分布とボルツマンの原理の2つぐらいしか説明していないので、この本を取っ掛かりに、教科書を読む必要があるだろう。熱力学のほうにウェイトがあるのは否めないが、熱力学を必要最低限と、統計物理学とのかかわりを、途中の説明を省略することなく、数式レベルで解説しているところに最大の価値があると思う。

熱力学や統計物理で落ちこぼれた人、これから学ぼうとする高校生、大学1,2回生には特にお勧め。

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女王国の城 (創元クライム・クラブ)

女王国の城 (創元クライム・クラブ)
有栖川 有栖
東京創元社
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大学生アリスシリーズの最新刊、といっても初版は2年以上前の発行。気づかなかった。もう出ないと思っていたから。というのも、その前は「双頭の悪魔」で、これは1999年の発行。ともかく、5巻完結の予定らしいので、あと1巻、がんばってほしい。

バブル崩壊、就職、カルト宗教といった題材が、2007年になって出るとは。これは出版に関する事情なのか、著者の遅筆によるものなのかは知らない。タイミングが完全にずれてしまっているのは確かだが、でも今だからこそこのテーマで小説が出せるのかもしれない。確かに時代のズレは否めないが、本格推理としてはよいものだと思う。

「双頭の悪魔」のことが、ところどころに出てくるのだけど、あまりに昔に読んだので、もう覚えていない。正月にアリスシリーズを再読できるとよいが。本筋とは直接関係しないのでよいか。

遅筆だの、時代がズレてるだの、否定的なように聞こえるかもしれないが、ちゃんと長編かけるのだから、これからも楽しみにしてるのでがんばってほしいと思う。

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ミノタウロス

ミノタウロス
ミノタウロス
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佐藤 亜紀
講談社
売り上げランキング: 106028

3分の1ほどで断念。しかもトライするのは2回目。

他の三崎亜記は雰囲気がよくてよかったのだが、これはまったく別人。舞台設定にしろ、文体にしろ、何から何までちがう。ご注意。近代ロシアの地主の息子が主人公。

むりに読了するのはあきらめることにした。

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モロッコ水晶の謎

モロッコ水晶の謎
モロッコ水晶の謎
posted with amazlet at 08.12.04
有栖川 有栖
講談社
売り上げランキング: 243669

中編集。タイトルの「モロッコ水晶」での火村の推理は、純然たる推理を確かめるために、その仮説が正しいことを物証に基づかない方法で確かめている。現実に、このような捜査方法で逮捕できるのか、自分が犯人だったら全部嘘っぱちだと言い切ってしまい操舵し、それも不可能ではないと思うのだが、そういう、ある意味現実離れしたところがフィクションの価値。私は好きだが、意見は割れそう。

他三編も楽しめた。

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弾言

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
小飼 弾 山路 達也
アスペクト
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サブタイトルにあるように、バランスシート的な考えで人生を形作っている「ヒト・モノ・カネ」をとらえなおし、より豊かな人生に近づこう、という指南本的な本。ちなみに、バランスシートとの対応は、「カネ=資産、ヒト=負債、モノ=資本」。前半は、結構堅実な話題。サラリーマンには耳が痛いような話もある。後半は徐々にトンデモ的なトピックのウェイトが上がる。それと、次の書籍からの受け売りっぽいところもある(受け売りというと叱られるかもしれない。説に賛成したということかも)。

本のフロク: 「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ
本のフロク: 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
本のフロク: 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

それから、「十分なエネルギーさえあればあらゆる資源は再生可能」というのはうそっぽい。資源を使ってエネルギーを取り出すのだから、「十分なエネルギーさえあれば」という仮定は成り立たない。熱力学第二法則にも反する主張にみえるが。

さておき、あえて分かったような要約はするまい。自分自身が、日ごろ、今後、気をつけなければ、と思った「弾言」の中から、この本の面白さにつながりそうないくつかをリストアップしてみる。

「カネでモノを買える世の中が人々を幸せにしてきた」
サブプライムを発端とする世界的不況の問題の中で、「モノと結びつかないカネの暴走が悪い」と思ってきた。なんでも債権化して細切れにして世界にバラ撒いたのが悪いのだと。そんなことをする金融業界は鬼畜だし、それをコントロールしない政府も誤っていたと。
だが一方で、「モノと結びつくカネ」と「モノと結びつかないカネ」をどうやって区別すればよいのか、という点については悩んでいた。著者の考えは、「カネでカネを買う行為を規制すること」は不可能。なぜなら、このことと、「カネでものを買うための規制を低くする」ことは両立しないからだ。これは説得力がある。だからといって、著者はそうであったとしても、「カネでモノを買える世の中が人々を幸せにしてきた」という話は少し別だと思うが。

「世界は基本的にインフレ傾向にある」、「人の知恵によって必要なものは減少しうる」
ゼロサムならインフレになるはずがないのに。理由は、増える原資は自然から略奪した「モノ」の価値であるか、あるいは「信用」(信用される側から見れば「ヒト=負債」)、というふうに理解しました。

「金持ちほどモノを値切りやすくなる」
ワーキングプア問題は、この弾言で指摘する構造に根っこがありそうだが。だが、その構造を肯定すると、ワーキングプアは自己責任ということになってしまわないか?もちろん、本人たちの努力の仕方がよくなかったとか、ある程度自己責任名部分はある。だが、誰にでもニッチがあるというのは、「マッチョ」の発言で、実際はそうではないのではないかという批判はできるのではないか。
いずれにせよ、この弾言は真だと思う。

「誤解を恐れて冗長に話すことは受け手にコストを払わせることになる」、「本を読むときは「こんな感じ」という曖昧さを残しておく」
もっといい加減に、でもつぼを押さえて仕事や読書をしようと思いました。

「最も重要なのは何が正しいかではなく何が残るかである」
ビジネス書が多数出版され、よく売れているよう。ビジネス書に限らず、専門的な論文なども、10年経って使われ続けるものは氷山の一角。

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