弾言
アスペクト
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サブタイトルにあるように、バランスシート的な考えで人生を形作っている「ヒト・モノ・カネ」をとらえなおし、より豊かな人生に近づこう、という指南本的な本。ちなみに、バランスシートとの対応は、「カネ=資産、ヒト=負債、モノ=資本」。前半は、結構堅実な話題。サラリーマンには耳が痛いような話もある。後半は徐々にトンデモ的なトピックのウェイトが上がる。それと、次の書籍からの受け売りっぽいところもある(受け売りというと叱られるかもしれない。説に賛成したということかも)。
本のフロク: 「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ
本のフロク: 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
本のフロク: 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)
それから、「十分なエネルギーさえあればあらゆる資源は再生可能」というのはうそっぽい。資源を使ってエネルギーを取り出すのだから、「十分なエネルギーさえあれば」という仮定は成り立たない。熱力学第二法則にも反する主張にみえるが。
さておき、あえて分かったような要約はするまい。自分自身が、日ごろ、今後、気をつけなければ、と思った「弾言」の中から、この本の面白さにつながりそうないくつかをリストアップしてみる。
「カネでモノを買える世の中が人々を幸せにしてきた」
サブプライムを発端とする世界的不況の問題の中で、「モノと結びつかないカネの暴走が悪い」と思ってきた。なんでも債権化して細切れにして世界にバラ撒いたのが悪いのだと。そんなことをする金融業界は鬼畜だし、それをコントロールしない政府も誤っていたと。
だが一方で、「モノと結びつくカネ」と「モノと結びつかないカネ」をどうやって区別すればよいのか、という点については悩んでいた。著者の考えは、「カネでカネを買う行為を規制すること」は不可能。なぜなら、このことと、「カネでものを買うための規制を低くする」ことは両立しないからだ。これは説得力がある。だからといって、著者はそうであったとしても、「カネでモノを買える世の中が人々を幸せにしてきた」という話は少し別だと思うが。
「世界は基本的にインフレ傾向にある」、「人の知恵によって必要なものは減少しうる」
ゼロサムならインフレになるはずがないのに。理由は、増える原資は自然から略奪した「モノ」の価値であるか、あるいは「信用」(信用される側から見れば「ヒト=負債」)、というふうに理解しました。
「金持ちほどモノを値切りやすくなる」
ワーキングプア問題は、この弾言で指摘する構造に根っこがありそうだが。だが、その構造を肯定すると、ワーキングプアは自己責任ということになってしまわないか?もちろん、本人たちの努力の仕方がよくなかったとか、ある程度自己責任名部分はある。だが、誰にでもニッチがあるというのは、「マッチョ」の発言で、実際はそうではないのではないかという批判はできるのではないか。
いずれにせよ、この弾言は真だと思う。
「誤解を恐れて冗長に話すことは受け手にコストを払わせることになる」、「本を読むときは「こんな感じ」という曖昧さを残しておく」
もっといい加減に、でもつぼを押さえて仕事や読書をしようと思いました。
「最も重要なのは何が正しいかではなく何が残るかである」
ビジネス書が多数出版され、よく売れているよう。ビジネス書に限らず、専門的な論文なども、10年経って使われ続けるものは氷山の一角。
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