思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)
外山 滋比古
筑摩書房
売り上げランキング: 16

成功本のご先祖のような本。今どきの成功本をあれこれ読むより、これ一冊でよい。緊密でない、分野の違う人との付き合いが、発想を広げるといったようなハナシは、すでにこの本で考察されている。

「セレンディピティ」の話題が面白かった。セイロンの三人の王子は、探し物をしても他の面白いものを見つけてしまうのだとか。

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ちょいデキ! (文春新書)

ちょいデキ! (文春新書)
青野 慶久
文藝春秋
売り上げランキング: 58271

今の自分ができていない仕事術。

・大きな目標を立ててしまっている
・拡大解釈してしまっている
・準備をがんばってしまっている

あげていこうとすると、全部書いてしまいそうで、それはまずい。逆に、できている仕事術を。

・モチベーションは探していない→仕事好きだから
・やりたいことは探していない→たいていそこらへんにある
・つくり笑顔はできている→自己嫌悪するくらいに
・怒られたとき降伏できる→おなじく自己嫌悪するくらいに
・集中するための引き出しを持っている→これは、ポジティブにyesといえる

など。5章:ビジネス情報収集術編、6章:健康管理編はなかなか好成績。

この本も手元に置いて、たまに目次を見返すとよいかも。スランプ脱却などに役立つ。7章は「ちょいデキ」っぽくないですね。かなりえらそうな論調になってしまってます。

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自分を変える! 対人コミュニケーション改善法‾ (マイコミ新書)

人が怖い ‾自分を変える! 対人コミュニケーション改善法‾ (マイコミ新書)
川島 達史
毎日コミュニケーションズ
売り上げランキング: 75514

人が怖いです。正直。何でこの人は、この人たちは、そこまで人を軽んじることができるのだろうかと思うこと、少なからず。

この本はなかなかいい。著者自身が、かなり重症な対人恐怖症を克服しているようで、前半ではその体験を具体的に話しており、ディテールから作り話ではなさそうだと信じられる。結局のところ、対人恐怖症を乗り越えるには、最後は自分の力で乗り越えるしかないのだが、合理的な判断を冷静に下して、無意味に傷つかないためのテクニックなんかは示していて、役に立つ。感情が先行してしまうと、このようなテクニックを使うことすら忘れてしまいそうなので、たまに読み返すと元気付けられる、という効果もある一冊だと思う。いやな気分の整理学―論理療法のすすめの、論理療法に通じるところあり。あちらが学問的、あるいは治療する側からの見方だとすると、こちらは経験的、あるいは治療される側からの見方のような関係にある。

後半は、初対面の人と会話を続ける方法など、対人恐怖症な人にありがちな場面での具体的な対応策を述べているが、ぜひ続編を出版し、会社の同僚など、日ごろ接する人たちと会話を続ける方法など、各論を展開してほしい。意外と、日ごろ接する人たちは、同じ体験をしているがために、新しい話題がなくて会話が続かなかったりするのではないだろうか。

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話し過ぎない技術―話を「見せる」ためのコミュニケーションスキル ‾「話す」「書く」「聞く」「質問する」ためのスキルセット‾ (マイコミ新書)

同じことを別な言い方で2回3回と繰り返していることがあるような気がするので、これでは聞き手の印象に残りにくいと思い、この本を手に取った。

が、あまり参考にならず。というのも、タイトルはかなり絞り込んだものなのだが、内容はコミュニケーションの一般論とあまり変わるところがないから。、そのような本であれば他にもよい本があるし。

「話が長い」とか、「わからない」とか、最近言われる。以前は逆で、「話し言葉がそのまま文章になっても通用する」とまでお褒めいただいたこともあるのだが。まあ、聞き手が変わったことが大きいだろう。環境も変わったので、ちょっと自信喪失気味なこともある。

以前のように、思い切り断言すれば、「決めつけている」とか食って掛かってくる人もいるし。人のいうことを気にしていたらきりがない。

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「残業ゼロ」の仕事力

「残業ゼロ」の仕事力
吉越 浩一郎
日本能率協会マネジメントセンター
売り上げランキング: 1818

成功本の王道。つまり、成功した方法の後知恵。使えそうなところだけメモ。

・ホワイトカラーの生産性。能力×時間×効率。効率はやり方しだいで高められる。日本人の働き方はここが弱い。
・知的作業は流れ作業のようには効率化できないが、デッドラインを設定することで効率化可能。デッドラインは、能力に合わせて設定するのではなく、業務の必然性からロジカルに定める、達成困難なもの。
・大上段に根本原因を見極めてそれを解消するより、表面的な問題の原因を一つ一つ取り去っていくほうが結局はやい。問題はとにかく分割して、解決に取り組む。
・無駄といわれる会議だが、実は重要。ここでも問題は分割して解決。大きな問題を全員で考えるのではなく、担当者が状況をまとめ、短時間で意思決定する。状況がまとまらない場合は、それ自体を新たな問題として、翌日をデッドラインとする。
・仲良しグループじゃないんだから、トップが、リーダーがやるといったらやる。残業ゼロもそう。みんな変化は嫌いなので、守らないと罰則アリで軌道にのせる。
・フォロワーはリーダーになったつもりで行動を。リーダーになったとき役に立つ。だがリーダーにならなければわからないことも多い。暗黙知をTTP(徹底的にパクる)する能力が不可欠。

「残業ゼロ」の人生力よりも身近なので、こちらのほうが納得しやすい。

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勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─

勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─
勝間 和代
東洋経済新報社
売り上げランキング: 8585

勝間式の方程式:
利益=(顧客あたり単価-顧客あたり獲得コスト-顧客あたり原価)×顧客数   ---(1)

#数式はこれしか出てきません(笑)。

この式の、管理会計における純利益の計算方法との違いは、現場レベルで使えること。管理会計によって利益を算出するのでは、時間がかかりすぎる。

式(1)の4つの変数は連動していて、バランスをとりながら経営をコントロールする。カッコ内の3つについて、変数の性質を解説し、具体的にどのような戦略で制御していくのかを細かく説明し、最後に顧客数は、プロダクトやサービスの市場への浸透のフェーズに応じて、他の3つのコントロールを通じて、増加させていく。

要点は上記のようなこと。

著者の経営コンサル時代の経験に基づき、具体的に変数コントロールの戦略を説明している。とてもよいのだが、その分、経営コンサルの技術を、他の用途にも応用していくためには少しギャップがあり、そのままでは使えない。

巻末に、ポイントと行動指針がまとめられており、便利。

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脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める

脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
築山 節
日本放送出版協会
売り上げランキング: 377


脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)

のような特徴を脳が持っていることを踏まえ、仕事等の効率性、人間関係における社会性を高めるために有効な、具体的な15の行動規範に落とし込んだもの。

失敗ノートをつけることが役立ちそう。少し離れた作業スペースや会議スペースに、必要な資料や道具などを自席からもっていくとき、よく忘れ物をするという些細な失敗が多い。簡単に行き来できる、という油断があるせいで、うっかりやってしまう。だが、小さいロスでも、積み重なれば大きな時間のロス。

これとは別に、最後の詰めが甘い場合があるが、もっとよく自分が犯しがちな失敗を見つめてみれば、何か関連性が見つかる、ということに確かになるかも。

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いやな気分の整理学―論理療法のすすめ

いやな気分の整理学―論理療法のすすめ (生活人新書)
岡野 守也
日本放送出版協会
売り上げランキング: 25102

サブタイトルの論理療法の、ほんのあらましだけを紹介した本。心理カウンセリングって、胡散臭く、小難しいというイメージ。でも、論理療法は、そのような小難しい理屈や理論をすべて知らなくても日常生活に役立てることができ、簡単なわりに効果もそれなりに高いという。

ただし、一朝一夕に「いやな気分」を解消するのではない。「いやな気分」に至る自分の思考の癖を発見し、それが1)固定観念的で、2)、論理的でなく、3)現実とは異なっており、4)誰にとっても役に立たない、という論理で矯正することによって、次第に「いやな気分」がより健全なレベルに収まるようにしていく、というもの。

この一点だけをいろいろな例を挙げて説明することに専念している。論理療法も理論はいろいろ研究されているそうで、より詳しい本もあるそうだが(著者の著作の中にもあり、推薦していたが忘れた)、普通はそこまでの知識は必要なく、本書で十分だと思う。

心理というと、とっつきにくいが、論理でわかることができるのがよい。

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マンガ 孫子・韓非子の思想

マンガ 孫子・韓非子の思想
蔡 志忠
講談社
売り上げランキング: 569338

再びマンガで孫子。入門としては、以前読んだものより、こちらのほうがよいかも。

孫子の兵法がビジネスへの応用として関心が高いといわれるが、韓非子の方は、法家の思想ということで、より直接的に人心掌握や人間操縦に役に立つのだそうだ。それはどうだかよくわからないが、説話と教訓、という構成なので、マンガにしやすいようで、わかりやすかった。こちらもビジネススキル観点で参考になる。

中国古典のシリーズの中の一巻らしい。文庫版もあるようなので、いつかシリーズの他の巻も眺めてみたい。

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人を2時間飽きさせない「雑談力」

人を2時間飽きさせない「雑談力」
多湖 輝
新講社
売り上げランキング: 149680

知りたいこととは少し違うという意味でハズレ。

ブレインストーミングって、雑談の仲間?それから、コミュニケーションスキルと雑学を個別に高めても雑談上手、とはいかないから、雑談力ってなんなのか知りたいのだが…

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まんが 孫子の兵法

まんが 孫子の兵法
まんが 孫子の兵法
posted with amazlet at 09.03.16
尤 先端 武岡 淳彦
集英社
売り上げランキング: 297593

孫子について知ってみたいと思い、まんがが楽にスタートを切れるかと思って選択。この本は、孫子の各篇毎に、篇の主題についての解説文、主題に関わる事件の漫画、そしてより詳しい解説で構成されており、漫画の部分は歴史上の事件を述べた部分に限られている。

わざとらしい漫画よりはよほどましなのだが、初心者には、漫画だけ読んでもよくわからない。やはり前後の解説は読まないと、何のことかさっぱりわからず。前述の、本書の構成を把握した上で、ようやく漫画もかなり苦心して、歴史の部分を限られたスペースで表現しているとわかるのだが。

孫子の取っ掛かりとして漫画からスタートという、若干、邪な目論見には適さなかったかもしれないが、内容はしっかりしてそうなので、いくつか読んだ後にまた戻って来たい本かもしれない。解説は結構面白い内容もあって、たとえば、「拙速」という語が、現代において誤った解釈がなされており、実際、その誤用に基づいた判断により、失敗したビジネスの事例が2,3挙げられている。ちなみに、「拙速」は、現代においては、手段などが拙くても、とにかくアクションを速く起こすことが重要、といった意味に解釈されているが、本来は、達成度は完全でなくても(拙くとも)よいが、正確かつ適切な手段・対応策を講じること、という意味とのこと。微妙な違いだが、結果は大きく異なる。なるほど。

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「残業ゼロ」の人生力

「残業ゼロ」の人生力
吉越 浩一郎
日本能率協会マネジメントセンター
売り上げランキング: 29629

成果の出ない残業ばかりして、人生を無駄にするな。退職後の人生は結構長い。現役時代から備えておかなくては、いろいろまずい、といった主旨の本。そういう面は確かにある。言っていることは間違っていない。

でも、好き嫌いで言うと、嫌い。タイトルだけ見て「残業=悪」という風に、短絡的な解釈をされると困る。仕事も人生の一部で、かなりの部分を占めるのだから。本書が、「リタイヤ後の人生=本生」が大事だ、というのと同じくらい、仕事の人生だって大事なのだ。

もちろん、できる人は、本末転倒、程度の言葉は知っているだろう。だから、役立ちそうなことだけ参考にし、実践することにすればよい。

・仕事が趣味、を言い訳にしない。
・仕事はゲーム。定年が来たら、いやでもゲーム終了。退場しなくてはならない。

このあたりは気をつけておきたいところ。

どうも「残業ゼロ」の仕事力の続刊のようなので、図書館で予約。ずいぶん予約が多いみたい。まあ、忘れたころに読めるとちょうどよいだろう。

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脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める

脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)
築山 節
日本放送出版協会
売り上げランキング: 2480

フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)
脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)

に次ぐ第三部では(ただし第二部は未読)、昨今の格差社会やらメガコンペティションの時代には、これがあせってばかりで脳が効率よく働かないうえにストレスばかりたまるという悪循環を断ち切る上で、「待つ」ことが大切、というのが著者からのメッセージのようだ。

そういう状況に陥っている人って、確か、特に若い人たちの中にいる(極端な一事例があるだけか?)。ある意味気の毒。一方で自業自得。

もちろん、自分も含め、時に難しいことばかり考えて、手が動かない場合があるのだが、年の功で長くても数日でそこからは脱却できる。そういう時は決まって、この本に書いてあるような、

・五歩先の一歩を踏み出す
・短時間で終わることのできる仕事をやる
・タスクを書き出し、やるべきこと、やらないことに分ける

などのことをやっている。スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術にあることとあまり違わない。どちらの主張がオリジナルということではなく、これらの本に書かれている誰もが経験的に正しいと思うことは、脳科学や認知科学等の立場から説明できる、ということ。

だが、この本の末尾のことについては、まだうまく実践できるには至らない。それは感情のコントロールなのだが、ポイントは、

・感情そのものはコントロールができない。その代わりに次の対処を行うしかない。
 -感情を発生させる刺激を量的にコントロールする。
 -脳に入力された情報(=記憶)の解釈を変える。

たとえば、日常的な例として、満員電車でいらいらするなら、

 ・すいている車両を選ぶ、すいている時間を選ぶ
 ・やかましい酔っ払いがいても、飲まずにいられないことがあったのかもしれないと解釈する

ということか。刺激が急激に降りかかるものでないなら、ある程度対処は可能だが、急に降りかかる災難に対しては、なかなかそうはいかない。まあ、修行が足らんのかもしれない。

たまに、こういう本を読んで、日ごろの自分を振り返るのはまあよい。でも、もうこの領域の本を読むのは十分。結局、いくら読んでも、それで成功するのではなくて、地道に脳を使うのがよいという結論なのだから。

関連:
フリーズする脳
スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術

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「お金」崩壊

「お金」崩壊 (集英社新書 437A) (集英社新書)
青木 秀和
集英社
売り上げランキング: 119567

サブプライムローン問題に始まる今回の金融危機があって、どこまで不況が長引くのか、世界恐慌に本当に突入するのか、気になるどころではなく、生活に直接影響が出るような事態になっている。この本は、金融システムの破綻の原因がについて、構造的な欠陥や矛盾を鋭く指摘する。そもそもお金とは何なのか、英国の戦費調達に際し、イングランド銀行が担った役割が、中央銀行を頂点とする金融システムの起源。このような生い立ちを背負うお金の特徴を、本質に立ち返って解説する。金本位制、石油・ドル本位制の崩壊を経て、お金はその価値の確固たるよりどころを失った。「信用」という実体のないものの上に金融システムが乗っかるに至って、いよいよお金の暴走はとどまる所を知らない。このあたりの説明は、起源に立ち返って、手を抜かず解説してあるので、知識の乏しい読者にもわかりやすいだろう。この点はとてもよく書けた本だと思う。

しかし、金融システムが崩壊に向かう原因として、「お金をお金で買えてしまうこと」というのは、経済活動を行っている大人であれば、なんとなくにしてもわかっていること。もう少し具体的な金融政策などまで掘り下げるのでなければ、あまり得るところがない。環境問題と金融の関係などに関しても触れているが、ゲゼルの理論についてもう少し解説しなければ、それが絵空事にしか思えない読者のほうが多いだろう。

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統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?

統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?
門倉 貴史
光文社
売り上げランキング: 8741

「統計数字」という言葉で何を想像するかによるのだが、私に言わせれば、この本は統計の本じゃなくて、経済の本。かろうじて統計らしい話は、せいぜい第一章までで、平均値、中央値、中間値の使い分け、算術平均、幾何平均、調和平均の違いなどにとどまる。この調子で一冊本を書くと面白いと思うのだが、それ以降は市場経済を表すさまざまな指標の見かたや、気をつけるべきポイントなど、無色の統計学ではなく、経済という色のついた統計数字を扱う本。そう、本のタイトルから、「経済」というキーワードが抜けているのがよろしくないのだ。

もし、タイトルに「経済」というキーワードが含まれていたら、この本はよい本かもしれない。説明は確かにわかりやすい。また、著者の古巣のシンクタンクに対して批判をこめているところなどもよろしい。甘く採点すれば、取り上げた各経済指標は一例で、さまざまな経済指標は、その算出の前提となるモデルや、サンプルにおけるバイアスなどを注意深く吟味する必要があるということを指摘している、といえなくもないが。

著者は結構露出があって、有名人であるが、高校や予備校の先生的な教え方のうまさは確かに認めるが、統計の専門家、というのはちょっとなあ(辛口)。

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ラクをしないと成果は出ない

ラクをしないと成果は出ない
日垣 隆
大和書房
売り上げランキング: 23221

最近、ビジネス書で良書に当たる確率が上がっている気がする。この本もヒット。仕事人間として、自分を守る作戦、攻めに出るための作戦、キャリアプランニングなどのなかで、現実とうまく折り合いをつけて、効果を最大化するために、

1.ラクをして成果を上げるのが基本中の基本
 ゼロから築くのは、通常大いなる無駄である

を軸に、いくつものヒントが得られたと思う。

ほとんどすべてのトピックをリストアップしたいくらいだが、それはまずいので、日々の効率アップや陥りがちな落とし穴にはまらないための作戦にかかわるものに限定する。

○効率アップ
15.興味がわいたことは講演やセミナーに出て、全体像と情報源を一気に押さえる
17.ブログを世界中の井戸端会議における、「立ち聞き」として活用する
23.メールの未処理は「なし」の状態にして帰宅する

○落とし穴にはまらない
11.「つまらない」と思ったら、できるだけ早く撤退する
12.情報収集にのめりこまない。情報とは「出会う」ものだからである
53.過去を振り返らない
76.よほどゆとりがない限り、正義に多大なエネルギーを注がない
84.アウトプットしないものはインプットしない

かなりキビしめでシビアなトーンなのだが、言ってもらって気が楽になったものは次のものなど。

○背中をおしてくれたもの
8.気になったら、まず買う
45.商売道具への投資はケチらない
92.子供ができたら「仕事で二十年後にブレイクする」準備を始める
94.加齢とともに遊び時間を増やしてゆく

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国語 算数 理解 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」

国語 算数 理解 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」
岩谷 誠治
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 51582

必要最小限の会計の知識を通じて、「しごと」を定義する。タイトルは高学年以上の子供向けの図書のように見えるが、それに限らず、これから働く人たち、今働く人たちの不安、疑問に対する何らかの手がかりになると思う。

会計と聞くと敬遠しがちなこともあるかと思うが、この本で解説している会計の知識は本当に必要最低限のものだし、会計の知識自体を解説することが本書の目的ではないので、無駄に細かいことは説明していない。このくらいの荒さだと、会計以外の問題への応用のひとつとして、「しごと」を定義するツールにもなる。まわりくどいといえば、そのとおりなのだが、高学年以上の子供、学生に、漠然と「将来何になりたいか」を問うよりも、このような授業を数時間与えることのほうが実際有用な時代なのである。

ちなみに、amazonの書評だと、タイトルと内容があっていないという評論があったが、それはきっと第三章(水曜日)までしか読んでいない。木曜日以降が奥深い。特に土曜日の章は、「サラリーマンって仕事なのか?」を議論している。あとがきに、非営利団体の「しごと」については書ききれなかったのが心残り、とあるが、この点に関する次作の発刊も期待したい。

関連:
弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

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弾言

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
小飼 弾 山路 達也
アスペクト
売り上げランキング: 1521

サブタイトルにあるように、バランスシート的な考えで人生を形作っている「ヒト・モノ・カネ」をとらえなおし、より豊かな人生に近づこう、という指南本的な本。ちなみに、バランスシートとの対応は、「カネ=資産、ヒト=負債、モノ=資本」。前半は、結構堅実な話題。サラリーマンには耳が痛いような話もある。後半は徐々にトンデモ的なトピックのウェイトが上がる。それと、次の書籍からの受け売りっぽいところもある(受け売りというと叱られるかもしれない。説に賛成したということかも)。

本のフロク: 「複雑ネットワーク」とは何か―複雑な関係を読み解く新しいアプローチ
本のフロク: 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
本のフロク: 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

それから、「十分なエネルギーさえあればあらゆる資源は再生可能」というのはうそっぽい。資源を使ってエネルギーを取り出すのだから、「十分なエネルギーさえあれば」という仮定は成り立たない。熱力学第二法則にも反する主張にみえるが。

さておき、あえて分かったような要約はするまい。自分自身が、日ごろ、今後、気をつけなければ、と思った「弾言」の中から、この本の面白さにつながりそうないくつかをリストアップしてみる。

「カネでモノを買える世の中が人々を幸せにしてきた」
サブプライムを発端とする世界的不況の問題の中で、「モノと結びつかないカネの暴走が悪い」と思ってきた。なんでも債権化して細切れにして世界にバラ撒いたのが悪いのだと。そんなことをする金融業界は鬼畜だし、それをコントロールしない政府も誤っていたと。
だが一方で、「モノと結びつくカネ」と「モノと結びつかないカネ」をどうやって区別すればよいのか、という点については悩んでいた。著者の考えは、「カネでカネを買う行為を規制すること」は不可能。なぜなら、このことと、「カネでものを買うための規制を低くする」ことは両立しないからだ。これは説得力がある。だからといって、著者はそうであったとしても、「カネでモノを買える世の中が人々を幸せにしてきた」という話は少し別だと思うが。

「世界は基本的にインフレ傾向にある」、「人の知恵によって必要なものは減少しうる」
ゼロサムならインフレになるはずがないのに。理由は、増える原資は自然から略奪した「モノ」の価値であるか、あるいは「信用」(信用される側から見れば「ヒト=負債」)、というふうに理解しました。

「金持ちほどモノを値切りやすくなる」
ワーキングプア問題は、この弾言で指摘する構造に根っこがありそうだが。だが、その構造を肯定すると、ワーキングプアは自己責任ということになってしまわないか?もちろん、本人たちの努力の仕方がよくなかったとか、ある程度自己責任名部分はある。だが、誰にでもニッチがあるというのは、「マッチョ」の発言で、実際はそうではないのではないかという批判はできるのではないか。
いずれにせよ、この弾言は真だと思う。

「誤解を恐れて冗長に話すことは受け手にコストを払わせることになる」、「本を読むときは「こんな感じ」という曖昧さを残しておく」
もっといい加減に、でもつぼを押さえて仕事や読書をしようと思いました。

「最も重要なのは何が正しいかではなく何が残るかである」
ビジネス書が多数出版され、よく売れているよう。ビジネス書に限らず、専門的な論文なども、10年経って使われ続けるものは氷山の一角。

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本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)
モーティマー・J. アドラー C.V. ドーレン
講談社
売り上げランキング: 219

読書というと消極的なイメージがあるが、そうではなく積極的に著作とコミュニケーションをとって良書を十分に役立てるための読書について論じたもの。1940年に原著は書かれたらしい。確かに古いかもしれないが、当時であってさえ、多数の本から目的に合ったものを選び出し、自分の問題意識を深めるために役立てる方法が必要だと考えられていたことがわかる。現代であれば、そのようなニーズはさらに重要さを増しているだろう。インターネット上に玉石混合な情報があふれている中で、情報を消費するにとどまらず、自分の知識として身につけるためには、この本に書かれたことは少なからず有用だと思われる。

読書を次のレベルに分類している。
初級読書、点検読書、分析読書、シントピカル読書
このうち、大人に関係あるのは点検読書以上。分析読書は十分やれているような気がするので、点検読書とシントピカル読書の箇所が参考になった。特に、シントピカル読書は、研究のやり方がわからない、という人にはヒントにもなる。読むことに気が行っているうちは、自分の問題意識のために本や論文を役立てることがうまく出来ない。どうやればそれが可能なのか、手がかりになると思う。

訳者あとがきの、「日本人の読書」はとてもうなづける。少なからず日本人的読書の悪弊の影響を自分も受けている面がある。呪縛されずに、点検読書とシントピカル読書に重点をおいて、時間を有効に使って、知識を最大限に伸ばしたい。

この本自体は、やはり、段階を追って順に、という構成が古臭いのが気になる。今どきだったら、先にシントピカル読書について紹介ぐらいはやっておく。でないと、読者が飽きてしまう。分析読書の説明もくどい。論文やある程度まとまった報告書をきちんと書いたことがあるなら、もうすこし簡潔な説明で十分だろう。この辺も読者を意識していないから、こうなってしまう。

付け加えておくと、今どきの構成がよいといいたいわけでもない。本として世の中に残るからには、どの時代の人にとっても役立つよう、過不足なく説明するのはいいことだと思う。むしろ自分が今どきの構成に慣らされているのに気がつかされた、ということかもしれない。この「本を読む本」も、点検読書をしてから、自分の問題意識に関係するなら、他の関連図書とあわせて、分析読書を経て、シントピカル読書によって活用されることを、著者も望んでいることだろう。

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上司は思いつきでものを言う

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)
橋本 治
集英社
売り上げランキング: 111966

「関係の空気、場の空気」に続き読了。タイトルの「上司は思いつきでものを言う」という上司と部下の個人の間の相互不理解は、会社と現場、間と民といった、組織の問題であることを解いていく。通常、新書等で出版される文書は、三段論法の積み重ね的な文章が多いが、この本はあちこち話題は発散しているようでいて、一応論旨は通っている。なれない分読みづらいところはあるが、タイトルどおり「思いつき」で突き進んでいく文体なのである。

特に大事だと思ったのは、「あきれる」能力。相手を馬鹿にするのでも、論理を返すのでもなく、ただ「あきれる」こと。上司に「批判されることによって、”してはならないことをした”と学習する」機会を与えること。

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「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)
冷泉 彰彦
講談社
売り上げランキング: 94333

日本語の特徴、とりわけ省略や会話スタイルといったコミュニケーション上の機能を詳細に研究し、この視点から近年問題となっているいじめ、自殺、キレる人々が生じる問題(関係の空気に関わる)や、それよりさらに深刻な政治や企業内における非論理的な意思決定がなされる問題(場の空気に関わる)の原因を鋭く指摘する。

部下よりも上司が、男性よりも女性が、様々な話法を編み出し、コミュニケーションの上で優位に立っているという点はなるほど、と思う。会話においてもっとうまく切り返すことが出来ていたら、と後になって思うことがある。しかし、そうできるよう努力したとしても、そもそも、そのための話法が日本語には(少なくとも現在)用意されていないのだから、難しいわけである。

また、個人レベルならばともかく、政治において野党や報道が、与党に振り回されるようでは、全体の不利益になる。これらの人々は、コミュニケーションの専門家でなければならないのに、それが出来ていない。少なくとも公共の利益に反するし、政治家たちに対してはほとんど犯罪だといわねばならない。罪状は税金泥棒。

多様な社会問題の根源に、日本語に起因する「空気」を作り出す機能を原因に求める視点も面白いし、論理に矛盾や飛躍がなく、だれでも論旨には納得できるだろう。一読すれば、よりコミュニケーションと言語に意識し、「正しい日本語」を目指したいと思うだろう。

以下、自分向けメモ

関連図書
上司は思いつきでものを言う (集英社新書)
「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))
バカの壁 (新潮新書)
下流社会 新たな階層集団の出現

なお本書は、最後の下流社会とは主張が対称的らしい。「下流…」は未読だが、私としては、本書の説に納得する。「下流…」のほうはなんだか浅そう。

2ちゃんねるの「頭のおかしな人の判断基準」。よい引用先が見当たらないので検索で。

提案1.ちゃんと語ることで日本語は伝わる
提案2.失われた対等性を取り戻すために
提案3.教育現場では「です、ます」のコミュニケーションを教えよ
提案4.ビジネス社会の日本語は見直すべきだ。
提案5.「美しい日本語」探しはやめよう

「です、ます」調をめぐって。外国人が話す「です、ます」調のきれいな日本語には、裏(?)があった。文法的に活用のバリエーションが少なく、非母国語として日本語を覚える近道だから。

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すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!

すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!
大橋 禅太郎
大和書房
売り上げランキング: 1569

著者がシリコンバレーで企業し、再チャレンジで起業した会社がいまひとつうまくいかなくなったとき、マネジメントコーチから伝授されたすごい会議の進め方が体験談ベースで書かれた本。このコーチングを受けた会社は、成果が出やすくなるらしい。

この本には、著者が受けたコーチングで用いたツール(といっても会議で用いる紙のフォーマットのこと)がすべて掲載されているし、おそらくこの「すごい会議」の肝も隠さず書かれているのだろう。だが、「すごい会議」なぜが有効なのかという洞察は一切ない。ただ、それらのツールを使って、何が可能になったのか、それをまとめているだけだ。だから、変わろうと思うなら、読者は信じてやってみるより仕方がない。著者自身にも、論理で効果を説明することはできないのだろう。序文で、「ラフな文章」と卑下しているが、おそらく文章の問題ではなく、言葉では伝えられない部分が「すごい会議」の真髄なのだ。そして、それはコーチングによって、経験することを通じて伝えることが可能なものなのだ。

そういう意味で、この本は「すごい会議」のやり方の本ではなく、コーチングのすごさを伝える本のような気がする。

ちなみに、この本に「すごい会議」のすべてを書いたとしても、著者は食いっぱぐれない。むしろ、この本を通じて「すごい会議」を知る人々が増えて、コーチングを受けたい人が増えるだけである。まさにコンサル業。うまいなあ。

2章までは、著者が新卒で入社した石油会社や、その後日本国内でのPC販売や、シリコンバレーでの起業の話など、ギラギラしていて、その一方で、さらっと書いてあるが相当なストレスがあったであろう資金の調達の話などは、とても刺激が強い。

最後に、コーチングを受けることはたぶんないだろう自分としては、「すごい会議」のメソッドを、できることから取り入れていきたいが、そのためのメモを残しておく。

・書いてから発表する。人の意見に左右されない
-本音を書く
-書いたことを変えずに読む
・「どのようにすれば」の形に置き換えてみよう。
・言えない問題、自分のひどい真実(現実)を見つける

あと、人にもオンタイムを守らせるいい方法があったら知りたい。

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「超」旅行法

「超」旅行法 (新潮文庫)
野口 悠紀雄
新潮社 (2003/03)
売り上げランキング: 215622

超整理法の野口氏の「旅行法」とは。職業柄、海外の国際会議等への出張の機会が多い著者による海外ひとり旅のススメ。いつもツアー旅行では、観光地を見たのであって、その国を見たとはいえない。では、脱ツアー旅行するにはどうしたらいいか。
答えは本を読んでもらうとしても、やっぱり海外をひとり旅するには、それなりに自力がいる。事故を起こしたときに、責任をおっかぶされないだけの英語力、といわれると、ちょっと引いてしまう。英語力というよりも、言葉の問題だけでなく、言いなりにならないとか、折れない心とか、機転とか、そういうものも含むのだろう。
30年で70回もの海外ひとり旅を経験した著者ですら、旅は準備しているときが最も楽しく、出発直前は緊張して取りやめにしたくなるし、旅をしている最中は注意も必要だし、ひとりきりだしで、心細いというようなことを聞くと、自分だけが臆病だというわけではないのだと、少し安心する。
自分自身も、回数はずっと少ないとはいえ、単独で海外出張した経験がある。というか、海外出張で単独でなかったことがない。せいぜい半日くらいしか空き時間がないので、近くの観光地や市街地を散歩する程度しかできないのだが、それでも異国の空気を吸えるのはいいものである。
この本で一番考えてしまったのは、「旅から帰ったときに、ここが自分の居場所だと思えなかったなら、生き方を考えたほうがよい。居場所を確かめるために一人旅をするのだといっても過言ではない」という主張である。最近の海外出張へいく飛行機の中でこの本を読んだが、このときはまだ腹をくくりきれていなかったため、家族もいるし、当然日本が居場所だと感じるだろうと思っていた。だが、帰国して少したった今、日本にというよりも、今の生活に非常に違和感を感じる。自分でも意外なほどに。素直に生き方を考え直すべきなのかもしれない。

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ライフハックス鮮やかな仕事術

ライフハックス鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア (MYCOM新書)
佐々木 正悟
毎日コミュニケーションズ (2006/12)
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「スピードハックス」、「チームハックス」に続いて「ライフハックス」を読む。発行順でいえば、「ライフハックス」が一番目。ほかの2つと違い、大橋氏との共著ではなく、佐々木氏一人で書いている。その所為か、ほかの2冊とは雰囲気がかなり違う。ほかの2冊はよりハックスの部分にウェイトがあり、この「ライフハックス」は心理学的な裏づけ部分が、表立っている。

内容は、「スピードハックス」とそれほど違わないが、「ライフハックス」が原点であろうことと、佐々木氏自身のツールの利用例などが参考になる。

3冊も類書を読んだので、その間に自分で実践して役に立っているもの/いないものをリストアップ。

役に立っているリスト:
・Remember the MilkでToDo管理。やるべきことをすべて書き出す。
・タスクの分割。すぐやる、あとでやるの他に、いつかやる、少しずつやる、やらないリストも管理。
・Google Calendarで「今日の予定」「今日の実績」をつける。そして順番に、最高速で片付けていく。
・ストップウォッチ。ストップウォッチは使わないけど、強く時間を意識して本屋論文を読むことで効果が上がる。細かいところに引っかかって時間をつぶすよりもパフォーマンスが上がる。気になったところは別途、時間を取ってやればよい。
・習慣づけのために、好きなお菓子を食べる方法。

役に立っていないもの:
・メールでメモを取る。自席以外で仕事をする必要がほとんどないので、メールを送る手間のほうが大きい。

他には、アフォーダンスの説明がわかりやすかった。

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チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術

チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術
大橋悦夫/佐々木正悟
日本実業出版社 (2007/07/26)
売り上げランキング: 1012

ライフハックス、スピードハックスの続巻、といってよいだろう。ライフハックスをチームに導入し、チームで活用するためのハックスだと言っているのだから。著者の一人、佐々木氏が正直に言っているが、私も、チームで仕事するのは苦手だし、時にはパフォーマンスが下がるし煩わしい、と思うタイプに属すると思う。多かれ少なかれ、誰でもそう思うときはあると思う。実際、「はじめに」で上げている、

1.責任感が生まれる、
2.アイディアが生まれる、
3.コミュニケーションが生まれる、
4.他人への配慮、
5.安心感、
6、情報共有、

は、いずれもまやかしだ、と思ったことはあるだろう。たまにうまくいくと気持ちいい一方で、通常は機能しないと思っていないだろうか。これらをまやかしでなくすにはどうしたらいいのだろうか。

チームハックスは、メンバーが互いに自分の予定表を公開しあうところから始まるという。これにより、互いに期待を掛け合い、ピア・プレッシャー(ポジティブなプレッシャー)を感じることにより、仕事の効率を上げると言っている。また最後には、リーダーシップからメンバーシップへのシフトを目指すものだといっているが、基本的に賛成。かつて、リーダーシップ研修なる、なんだかイタイものを何度かやらされた。

一方で、まだチームハックスの手法は未成熟な段階だとも思った。というのも、本の内容のいくつかは矛盾しているからである。たとえば、一番ひっかかったのは、忘れないためにはどこか一箇所に予定やメモ等の情報を集めるべき(「超整理法」で言っていることと同じ)としながら、予定表、タスクリスト、をそれぞれに管理するネットサービスや、その活用事例を紹介している。まず、予定表とタスクリストの使い分けが明らかではない。本質的には同じものだと思う。複数のネットサービスを用途別に使い分ければ、そこに連携機能がないならば情報は分散してしまう。ネット上で管理することは、一見どこからでもアクセスできるように思えるかもしれないが、実は自宅と職場からしかアクセスできない。移動中は携帯、といいたいところだが、マナー面やインフラ面から現状ではアクセス不可と見るべきだろう。

当然ながら、自分に応用できるハックだけを選んで使ったり、自分なりにカスタマイズすることが重要。

この続巻も、心理学の側面からの解説が面白い。たとえば↓

「ジョハリの窓」による他己紹介の有効性
なぜ、「なぜ?」と尋ねるとうまくいかないのか
「エピソード記憶」と「意味記憶」の両方を活用する
「現状維持バイアス」をポジティブな方向へ転換する
「防衛機制」が働くとき
人の「自己管理能力」はアテにならない
「成功と失敗の原因」を自分の都合で解釈する

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スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術

スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術
大橋 悦夫 佐々木 正悟
日本実業出版社 (2007/01/31)
売り上げランキング: 265

ライフハックス心理学は、二人の著者のうちの一人である佐々木氏のblog。このblogを読んで、この著書に興味を持った。ライフハックスって、付箋をうまく使うとか、そういうせこい話ばかりで本質的な仕事術じゃないと思っていたのだが、このblogの視点は、人間の認知、心理、行動の仕組みから、とっつきにくい仕事をどう始めるかとか、時間をどう使えばパフォーマンスが上がるかといった視点での解説が新しく、納得性も高いと思ったから、blogオーナーの著書にも興味をもった、という経緯。

本自体はどうだったかというと、それほど目新しいことも書いてないような気もするし、効果のほどに疑問符が付くようなものもあるのだが、もしこういうことを知らない人がいたとしたら、試してみる価値はあるので、役に立つ本だと思う。たまに目次を見直して、気になるところを読み返してみたりすれば、その方法によって期待する効果が得られているか確認でき、自分なりのカスタマイズをしていくこともできるだろう。

blogのほうも、著者の最新の考察が読めてよろしい。

ほかにもスピードハックス、○○ハックスという本を手にとってみたが、どれも何が良いのかよくわからない。スピードハックス系なら、この本が一番良いと思う。また、何冊も読む必要もないと思う。方法論に溺れるのはほどほどに。目的は仕事を片付けることなのだから。

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畑村式「わかる」技術

畑村式「わかる」技術
畑村 洋太郎
講談社
売り上げランキング: 12005

正直、これまで畑村氏の著書は避けてきた。「失敗学」で有名だが、知識習得や活用、問題解決にそれなりの自信を持っているので、失敗からまなぶなんてことは極めて当たり前のこと。それほど当然なことに学問の名をつけるのは、ビジネスのにおいがしていやだった。

「畑村式『わかる』技術」の中では、理解の仕組みを解説しているのだが、それほど新しいということや、これまでにはなかった解説、ということもなく、言われてみればみながわかっていながら、日ごろ意識することなくすごしているようなことをことさらに説明しているものだともいえなくもない。もちろん、人が意識しなかったことを意識して考えるのはすごいことである。

この本の価値(少なくとも私にとっての)は、「原点に立ち返ること」を思い出させてくれたことである。

昔の私は、「本など読まなくても、よく考えればたいていのことは理解・実践可能」という、高慢極まりないものだった。だが反面、表層的な知識、勉強法、処世術など身につけたところで、何の役にも立たない、という点では真理をついていたとも言える。毎日無意味にメルマガやニュースをチェックする必要などどこにもない。そんなことより、頭と体を使って、論理的に考える訓練を繰り返すことのほうが重要である。

そういう原点に返り、自信を取り戻すきっかけになってくれればと思う。表層的な情報過多人間の主張など容易に論駁できるという自信である。当然、きっかけになってくれるかどうかは、今後の私の知識ではなく、思考の量に依存する。「知らないけど、それが何か?」と言えるように戻りたい。

日常から変えたい。とりあえず電車の中でpodcast聞くのをやめるか。

以下は自分向けメモ:
41ページ、大西氏の「ハートで感じる英文法」。今では類似の主張をする人や番組も出てきた。畑村式の「わかる」との共通点。

61ページ、「直観」、「直感」、「勘」の共通点と相違点。いずれもショートカット。「直感」のみが論理の飛躍がないショートカットであり、「直感」であれば、論理的に他者に説明できるはず。できないものは「直感」か「勘」。ショートカット自体が悪いのではない。むしろ効率的でよい。だが、「直感」であるべき。「直感」はどんどん蓄積し、活用すべき。蓄積するために、一度はそれを深く考える経験が不可欠。

71ページ、熱力学について。熱力学のよくないところ。現象面、表層的、表面的に熱と仕事の関係を記述した学問。「なぜそうなのか」がわからない。「マクスウェルの魔」の感想でも述べたが、いくらやっても熱力学がわかった気がしない理由がわかった気がする。

127ページ、課題設定について。妥当な課題設定は絶対的ではなく、立場等によって異なる。平社員が全社組織の改革を考えることは過大な課題設定で現実的ではなく、一方で目前の問題を解くだけでは不十分。本書では、より一般性のある課題設定を目指すべきという側面にウェイトがある。面白かったのはむしろ前者。過大な課題設定もやはり机上の空論であり、そこには陥らないように。それを解くことによって、最大のパフォーマンスが得られるようなポイントを模索すべき。

155ページ、「見ない」「考えない」「歩かない」の三ナイ主義。陥りやすい。気をつけたい。

171ページ、メモの取り方。人によって違うと思う。発言をそのまま記録したメモが生の声だからよい、という人もいるが、あまり賛成できなかった。自分は畑村派メモの取り方。少なくとも、前者だと読み返す気がしない。

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国家の品格

国家の品格
国家の品格
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藤原 正彦
新潮社 (2005/11)

論理偏重を蔑み、情緒や形を重んじることによって国家の品格=国柄を取り戻せと言う啓蒙書。グローバリゼーションに困惑する世界を救うためには、まずは日本が品格を回復し、「異常な国」として尊敬されるようにならなければならない。

論理が専門の著者が、武士道という道徳や精神のカテゴリに属するものを論じるという逆説がありながら、しかも内容は論理で構成されているという、あざやかに二重の逆説で成り立っているという珍しい本。道徳や精神を、理屈抜きに押し付ける以外の方法で(これなら親ならばできる)、本として成立させるには、こういう方法しかない。数学者でなくてはなしえない。

日本には品格のかけらも残っていないと思わせる事件が相次ぐ。もう数学者くらいしか、こういうことを胸張っていえる人がいないのだ。昔は、貧乏かどうかに関係なく、品格や美意識を持っていたというのだが。私はリアルタイムにそれを実感できなかった世代だが、そのころよりももっとお下劣な日本になっていることは疑いない。

日本人ならみな読むべし。背筋が伸びたような気がします。

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人は見た目が9割

人は見た目が9割
人は見た目が9割
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竹内 一郎
新潮社 (2005/10)

「さいふうめい」こと竹内一郎氏による、非言語コミュニケーションの重要性を訴える一冊。言語が担う情報伝達の割合はせいぜい7%に対し、それ以外の外見、所作、表情、服装などがコミュニケーションに与える影響は9割を超える。正論でも理屈だけが勝った人の主張には反感を覚えた経験はないだろうか。

タイトルには「見た目」とあるので、タイトルだけを読んで、顧客に信頼されるようなスタイル、表情などを細かに解説したビジネス書を期待したとしたら、そういう本ではない。前書きにもあるように、言語以外によるコミュニケーションを広く捉えて論じており、それには、色、間のとり方なども含む。特に、著者のフィールドであるマンガや演劇における非言語情報伝達の技法に関する考察は鋭く説得力がある。

もっとも印象深かったのは、マナーに関すること。エレベーターや車に乗る順序、客を案内するときのドアの開け方などが、こと細かに動作を規定 していると思えるが、相手を重んじた場合の所作を突き詰めていけばマナー に到達する。つまり無意味な規定ではないのだ。マナーを本質的なことだと考えない人でも、マナーのよい人に好印象を覚えたことがあるのではないだろうか。コミュニケーションを保ち、さらにいえば信頼関係を構築するためには、話す内容ばかり気にしていてはうまくいかなくて、話しかけるタイミング、所作、表情などの内容と関係ないところで勝負が決まる。

逆説的に、話す内容や論理性を大切だと考える人こそ、非言語の部分で損をしてはなるまい。

さいふうめい氏にはお目にかかったことがあるのだが、外見にインパクトのある人ではないが、話す際の視線であるとか、こちらの話を聞く様子などが印象に残っている。話し慣れ、聞き慣れした様子とも違い、かといって切れるほど鋭い質問やコメントを繰り出してくるわけでもないのだが、話しやすいようでいい加減なことがいえないという微妙な緊張感があり、ああいう雰囲気でのインタビューならば面白いコメントが取れるのではないかと思う。

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iモード事件

iモード事件
iモード事件
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松永 真理
角川書店 (2000/07)
売り上げランキング: 17,431

リクルートの「とらばーゆ」編集長からNTTドコモへ転職し、iモードのコンテンツ開発責任者として新サービス・ビジネスを立ち上げ、軌道に乗せるまでの3年間の苦労話。iモード単なる情報サービスにとどまらず、多数の企業や個人が新しいビジネスを立ち上げる基盤を与えたことからも、社会的にも非常に影響力の大きいサービスであったといえると思う。本の中では、マッキンゼーvs.松永・夏野両氏の意見対立であるとか、榎氏の組織づくりだとか、とても勉強になるエピソードがいっぱいである。冷静になってみれば当たり前の仕事の仕方、行動の仕方なのかもしれないが、当たり前を当たり前にやることが実は難しい。

一番印象に残ったのは、松永氏が契約の切れる3年で、契約を更新することなく退社を選んだところ。この件に関してはとても歯切れが悪いように思うのだが、それはやっぱり、NTTドコモの社風にはなじめなかったんだろうと想像する。新しいプロジェクトという目標があればこそ突き進めた3年間だったのだろう。逆に、3年ならば、社風が違うとかを乗り越えて、プロジェクトに邁進できなくはないとも言える。うまく手を引く時期も大事である。いつまでもしがみついていると腐ってしまう。「日本の大企業は”就職”というより”就社”の傾向が強いからだ」とある。大企業においては、へたな長居は危険なのかもしれない。

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さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学
山田 真哉
光文社 (2005/02/16)
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タイトルからはわかりにくいが会計学の本。会計士の資格を取るための入門書とは異なり、身近な話題を用いて会計学の本質を解き明かすことを試みている。そのせいもあって、会計は企業を取り扱うのが本来であるが、
個人にむけた会計にウェイトを置いている。企業の個人の経済活動は性質が同じではないので、企業向け会計を個人に当てはめて考える際の注意点や落とし穴についても言及があるのは親切。

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EQ―こころの知能指数

EQ―こころの知能指数
EQ―こころの知能指数
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ダニエル ゴールマン Daniel Goleman 土屋 京子
講談社 (1996/07)
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なぜ瞬間的な怒りが抑えきれずに、些細なきっかけが暴力事件に至るのか。暴力に至らずとも、日常的に感じる怒りや不安は、それを感じること自体は自分の未熟さゆえではなく、脳の発達の歴史を振り返れば自然なことであり、それらの感情は、原始的な生活では自衛、生存のための不可欠な役割を果たしていた。だが同時に、現代における生活の中では時代遅れの装置で、むしろマイナスに働くことがある。

そこの時代遅れで原始的な脳の働きを抑止し、上手に現代生活を送るにはEQが役立つ。この本ではEQについて、脳の生理的レベルで、これまで心理学が暗黒領域としてやりのこしてきた情動の働きをとらえる。もちろんまだまだ解明されていないことのほうが多いが、近年の脳に関する研究の進歩によって、心の働きを科学的にとらえることが可能になりつつある。自己啓発系の心理学の本かと思っていたがそうではない。

EQとは何なのか、脳の働きとどういう関係があるのかについては、よく理解できる。しかし、具体的にどのような方法でEQを鍛えるかについては、子供に対するEQ発達支援のプログラムが紹介されている以上には述べられていない。

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素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術

素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術
金出 武雄
PHP研究所 (2004/11)
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会社の同僚が薦めてくれ、本も貸してくれて読んだ。

価値の高い、独創的な研究とはなんだろうか、どうやってそこに近づくのだろうか。この問いに対する回答は存在しないのだろう。そのようなものが存在するとしたら、そもそも研究という仕事は存在し得ない。そうであっても、従来の方法では解決し得ない未知の問題をいかに見出し、いかに解決するかについて、その道のプロが与える助言には千金の価値がある。手元において、行き詰ったら読み返したい一冊。ちょうど文庫版も出版されている。

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研究力

研究力
研究力
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有馬 朗人
東京図書 (2001/05)
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通常3~4日以内に発送

「○○力」というタイトルの本がよく出版されていますが、それらとは雰囲気違います。日本の研究者が自身の研究人生を回想し、これから研究者を目指す若い人にアドバイスを与えるという構成で、10人ほどが寄稿した文章をまとめたものです。

何人かに共通するアドバイスがあるので、研究者として成功するためのセオリーはあるように見えますが、基本的に人生めぐりあいであり、期待と現実とのギャップは本人の力ではいかんともしがたいところもあり…。結局研究に欠ける情熱や信念という、研究というテーマを扱う割には体育会系な帰結にしかならない。

もっと若い人たちに示唆を与えるような編集の方法はなかったものか。
#珍しく辛口。

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段取り力

段取り力
段取り力
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齋藤 孝
筑摩書房 (2003/11/11)
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書きたいことが思い浮かばない。たぶんよくわからなかったからだろう。三色ボールペンの使い方や漫然と仕事や勉強するのではなく、90分くらいの区切りをつけるなどの個別のテクニックは使えるが、それらは「段取り力」ではなくて「要領のよさ」ではないか。一方で、ホテルマンの話も、これも段取りというよりも課題の持ち方の問題であるような気がする。

「要領のよさ」と「課題の持ち方」の中間を補う「段取り」の正体はよくつかめないまま。

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できる社員は「やり過ごす」

できる社員は「やり過ごす」
高橋 伸夫
日本経済新聞社 (2002/07)
売り上げランキング: 6,132
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せこい処世訓を語るありきたりのビジネス書を想像するなかれ。企業とは何なのか、従業員は何に満足を見出すのか、終身雇用、年功序列とはどんなシステムだったのかといった命題に深い論考を与える一冊。前半は日本企業に見られる尻拭い、やり過ごしなどの現象の意義や効果などを明らかにしてみせる。後半ではここを基点に未来傾斜なる仮設を立て、経営に求められるもの、経営者のあり方について主張する。さらに終身雇用や年功序列とはなんだったのかを論ずる。最後の賃金体系と働く意欲や企業の成長に関する内容は興味深いが、このテーマは文庫1冊には重過ぎる。著者による別の本にも興味が沸く。

日本企業の意思決定原理

おそらく著者にとっても冒険だっただろう本書である。あとがきにもあるように、学者として、他の学者や学会の反応は怖かったことだろう。本書と同じテーマを扱った学術誌もあるとのこと。2つを比べてみれば、著者の心配と同時に、経営学の病巣も垣間見れるのではないか?

未来傾斜原理―協調的な経営行動の進化

ビジネス書や経営学は景気の波に影響されがち、というのは控えめすぎで、手のひらを返したように数年前と180度逆転した論考が発表される節操のない領域だと思っていたし、読み終えた今もその考えは変わらない。ダ○ヤモンド社の出版物や雑誌のタイトルを見てみれば、たいていの人には同意していただけると思う。つまり、調子のいい企業のことばかり書き立てて、我もと思う金の亡者を食い物にしているのだ。本質的なところではほとんど前進していない。その結果、企業は同じ過ちを繰り返す。が、こういうまじめな学者もいるのである。

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「できる人」はどこがちがうのか

「できる人」はどこがちがうのか
斎藤 孝
筑摩書房 (2001/07)
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通常24時間以内に発送

先の読めない世の中、どんな能力が身を助けるのか。この本では、自信を失いがちな日本にあって、いかに自己実現するのか。この問題に対し、著者は達成感をひとつのよりどころとして、それを得るための上達論を展開する。変化の激しい世の中にあって、業界、業種に左右されない上達のコツとは何なのか。この本の内容は、おそらく誰にとっても実感できる。なぜなら、誰でも過去に一度は自分の体で成功を体験したことがあるはずだからだ。

この本には何も目新しいノウハウが詰まっているわけではない。読むという身体的経験によって、かつての成功体験を技化するのだ。かつてうまくいっていた人なら、この本は昔なんでもできると信じていたころに戻るきっかけになるだろう。

ちょっとあざといタイトルだが、中身はまじめな上達論で巷にあるビジネス本とは一線を画す。斉藤孝氏は他にも「質問力」、「段取り力」などを著している。「できる人…」で述べられている「まねる力」とあわせ、3つの力は現代を生き抜く一貫した力の体系をなしているという。「質問力」はもう読んだので、「段取り力」もぜひ読んでみたい。

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勉強の仕方-頭がよくなる秘密-

勉強の仕方―頭がよくなる秘密
米長 邦雄 羽生 善治
祥伝社 (1999/06)
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通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 5
5 頂点と仲介業者
5 これまで何度も読み返し、その度に学ぶことができた良書

以前公演を聴いた米長邦雄氏の考え方についてもう少し知りたかったので読んでみた。羽生義治氏との対談形式。

別に頭がよくなりたいわけではなかったのだが、「勉強の仕方」というよりも、教育論というか、そんな感じのテーマについて対談している。育てることを念頭においているわけでもないから、教育というのともちょっと違うか。よくある発想法のような、直接ノウハウになるようなものを期待しないほうがいい。

一言で言うと、自分が将来どうしたいか、人生をどのように設計し、過ごしたいかという大きな目標を立てることなしに勉強することは蒙昧で、幸福に結びつかないということ。一方で、若いときにがむしゃらに勉強できないような人は成功しないとも。まあ、それはあたりまえだ。

パソコンと勉強の関係について、二人の棋士の直感はするどい。最近、パソコンが目の前にあると仕事ができないような気がしている。デュアルディスプレイなんかにした日には、まったく仕事できなくなるに違いない。ITボケにならないように、みんな注意が必要だ。

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会話の心理テクニック

会話の心理テクニック―相手の「こころ」を惹きつける、吉田 典生、コスモ文庫

最近関係者とうまくコミュニケーションが取れない、もっと相手を楽しませられるような話術を身につけたいと思い、近所の本屋でゲット。この手の本はビジネス書の定番テーマで数も多いが、平置きで文庫のこれが目に入った。書いてあることはいちいちもっともだが、日常的にどうやって訓練していくか、いまひとつぴんと来ない。もちろんちゃんとアドバイスはされているのだが。

仕事の関係だとつい腹の探りあいみたいなことになりがちだが、相手がよろこんで本音を語ってくれるような会話のコーディネイトができるように、少しでも近づきたいもの。

余談だが、お笑い教室というものがあるらしい。オヤジギャグオンリーの芸風から脱却して話し上手になるのに役立つだろうか?ちょっと興味あり。

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運を育てる

運を育てる~肝心なのは負けたあと~、米長邦雄

2004年アジア杯サッカーはジーコジャパンによる日本連覇という結果で閉幕した。サッカーには日ごろそれほど関心はないのだが、準々決勝のヨルダン戦を偶然見た。PK戦までもつれ込んでの勝利だが、勝負の明暗を分けた瞬間がわかりやすい試合だった。

明暗とは、PKを蹴り込むゴールについて日本が抗議を行ったときのヨルダン選手の態度。今大会は中国で行われ、日本選手団、応援団は徹底的なブーイングを受けた。ヨルダン選手は、このブーイングに乗じて、さらに日本を不利にしようと、中国サポーターのブーイングをあおるような行動が放映された。中国サポーターの反日感情とはまったく無関係なところで、相手チームの抗議に圧力をかけようとした態度を、米長流にいえば「女神は見ていた」ということになるのだろうか。ヨルダンは完全に手中にしたかに見えた勝利を逃し、日本は連覇を成し遂げた。

米長氏の著作を読んでからというもの、(広い意味での)勝負の流れを左右する行為などに注意が向いている。たとえば上の例が最近では顕著な例。ほかにもプロ野球界再編の動きの中で、渡辺恒雄氏の古田敦也氏に対する言動とその後の成り行きなどが注目である(ただ、ナベツネ発言は、今のところ決定的な彼の不利には働いていないように見える。それはそれで今後に注目)。

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It Works

It Works

実行するだけで夢が実現するという単純行動ルール。なぜそれがworkするのか、説明はまったくしていないし、むしろ、なぜworksするのか気にしてはいけないという。只々、そのルールに従うことと、ルールがworkしているのかチェックする方法があるだけ。目標を明確化することがいかに困難で、その目標達成を粘り強く願い続けることにいかにエネルギーを要するか、そして、それらがもっとも大切な原動力であるということをあらためて気づかせる。

いわゆる成功体験本が多くの示唆を含みながらも、いかに目標を達成したかという事象に着眼しているのに比べると、この本の内容は行動哲学とでもいうのだろうか。事象を語らないから、30ページ程度と短い中で、哲学を骨太に歌っている感じ。

今読んだばかりだから、workしているのかどうかはなんともいえない。だが、ほかの書評にはポジティブな評価が多いようだ。

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ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則、ジェームズ・C・コリンズ (著), ジェリー・I・ポラス (著), 日経BP出版センター。

「ビジョナリー」と聞くと、主張がぶれないとか、カリスマ的だとか、そういうイメージを思い浮かべる。だが、この本によれば、長い歴史を持ち存続し続ける、きわめてわずかしか存在しない優良企業が、優良たる所以を分析すれば、少なくともカリスマ性が必須条件ではないし、経営手法等に関しての「神話」のいくつかはビジョナリーであることとは無関係か、むしろマイナスな要因であるという主張は斬新。

企業の比較、分析方法は、ビジョナリーカンパニーとそれ以外の優良企業の特徴分析によるが、この方法は計算機科学の一分野である機械学習の手法と類似している。すなわち、古典的な機械学習の手法では、適切な量の正例、負例を収集し、それらをわけ隔てる意味での属性の重要度を学習する。この数学的に確かな手法と類似の分析による結論は、経営に関して述べられる通説を否定するのに十分な根拠となって、主張が正しいであろうことを支持している。

一方、この本のコントリビューションはこのあたりまで。残りは過去50年以上にわたる、膨大な資料の紹介となっている。分析の根拠を事実で裏付ける必要は確かにあるが、読む側としては相当退屈な内容。

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「アタマにくる一言へのとっさの対応術」

アタマにくる一言へのとっさの対応術、バルバラ・ベルクハン、草思社。

本の帯には、

  「言われっぱなしはゴメンだ」というあなたのための決定版・切り返し術!

とあるが、この本はそういう攻撃のための本ではない。むしろ、日常的にダークな一言と向き合わねばならないストレス社会から、いかに自分を守るかを、具体的な処方箋を示し、教えてくれる防御の本である。処方箋は、心を平常に保っている状態をイメージすることで、相手との距離を適切に保つことを助ける。私自身、顧客との打ち合わせ前にはこの処方箋を思い出すことによって、心理的なストレスから解放され、内容のあるディスカッションに専念できるようになった。このイメージのような主観的であいまいなものを、論理と感情の両方に訴えて読者に納得させる絶妙な文章は、さすがに心理学者。翻訳もうまいのだと思う。

文化の違いからか、具体的な行動例には、そのまま日本で使うには無理があるものもいくつか記載されている。しかし、無理をせず、できることから試してみて、うまく感情を処理できたという成功体験を重ね、自信を積み重ねていく上で、そのようなことは小さな問題でしかない。

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